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PEACE



何もかもが終わった翌年、夏。
クーラーの効いた部屋で俺は調査書と睨めっこをしていた。
「諒、進路について悩んでいるんだったら、僕と一緒に大学に通うというのはどうかな?」
ふと気づくと、忍がさっきまで読んでいたはずの本を閉じて、俺の方を見ていた。
「ハイ?」
「僕と一緒に大学に通おうと言ってるんだよ。」
「…いやじゃ。」
一瞬、自分が何を言われているのか理解するのに時間がかかった。
「冷たいんだな。」
「だいたい、俺はもうアンタに養ってもらう義理はないだろ。」
「僕は構わないよ。お前が大学に行きたいというのなら、そのくらいの学費は用意する。」
「いつまでも忍の世話になる気はない…。」
「さみしいものだね。」
「何言ってんですか。キモチ悪い!」
「僕はお前の親のつもりだよ。」
「あ〜そうですか。だからアンタが年とったらオムツの世話しろとか言うんですか?」
「あぁ、それも悪くないね。」
「終身雇用でもしよ〜ってのかよ。」
「…というよりは、終身介護をしてくれると嬉しいね。」
「…今でも充分、アンタの世話してると思うのですが…。」
「感謝してるよ。」
「っていうより、アンタがじーさんになったら、俺もじーさんだよ。」
「そうか…そうだね。じゃぁ、僕がヨボヨボの年寄りになったら、冴子も混ぜて縁側で、三人で一緒にお茶でも飲もうか?」
「…お前、邪魔。」
「何か言ったかな?諒?」

ヨボヨボの忍と縁側で、お茶…ね…それも悪くは無いか。




END

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